■ 作品概要｜欲望と計算が交錯するハーレム官能小説

著者・水鏡によるフランス書院eブックスの人気シリーズ第2弾、『疎遠になっていた幼馴染（彼氏あり）をセフレにしてみた【来杉絢＆宝来春歌＆善野聡子編】』。

2023年9月8日に配信開始された本作は、全209ページのアダルト官能小説であり、Web小説サイト「ノクターンノベルズ」で人気を博した物語の書籍化第2章です。

シリーズ第1弾で幼なじみと後輩をセフレにした主人公・春日真が、さらにその支配領域を拡大していく——。「戦略的ハーレム構築」をテーマにした本作の魅力を、徹底的に解剖していく。

■ あらすじ｜3人の少女を手中に収める、計算尽くされた快楽支配

物語は、すでに幼なじみの佐倉花恋と後輩の九条水紀をセフレとした主人公・春日真が、新たな獲物を求めるところから始まる。

高校2年生でありながら、童貞を卒業したばかりとは思えない性技と口の巧さで女性を堕としていく真。しかし彼は単なるゲス野郎ではない——セフレにした女性たちの将来まで考え、責任感を持って接するという、一風変わった「誠実さ」を持つ。

▼ 新たな3人のヒロインたち

▼ クライマックス——ハーレム完成への道

物語は、3人娘すべてをセフレにした真が、彼女たちを一緒に抱く4Pセックスへと突入する。さらに真は、最初のセフレである花恋に対して「将来結婚して子供を産んでほしい」と告げ、「ハーレムをつくるために社長になる」という明確な将来目標を掲げる。

これは単なる快楽の物語ではない。主人公が社会的地位と経済力を得るための野心と、ハーレム構築という欲望が交差する、壮大な成長物語なのである。

■ 登場人物の深層心理｜なぜ彼女たちは堕ちたのか

春日 真（かすが まこと）｜計算高い支配者

高校2年生のサッカー部員という肩書の裏に、驚異的な心理洞察力を隠し持つ。各ヒロインの弱点を見抜き、そこにつけ込んでいく手法は「女の子の心に入ってくるのがとても上手」（花恋談）と評される。

しかし単なるプレイボーイではない。セフレにした女性たちの将来まで考え、責任を持って接する——この一見矛盾した性格設定が、主人公に奥行きを与えている。

ヒロインたちの「弱み」と「救済」

• 春歌：サッカー部への献身が報われない無念さ→真に「認められる」ことで救われる
• 聡子：真面目すぎるゆえの抑圧→真に「解放される」ことで快楽を知る
• 絢：過去のトラウマによる不感症→真の技術で「初めての快楽」を経験する

真は各ヒロインの「欠けた部分」を完璧に見抜き、それを埋める形で関係を構築していく。これが、単なる力づくではない、心理的に巧妙な支配なのである。

■ 見どころ｜官能小説の新次元を切り開く5つの要素

■ 評価分析｜なぜこの作品は「刺さる」のか

◎ 肯定的評価——高評価を得ている理由

△ 批判的意見——考慮すべきポイント

• リアリティの欠如：「ヒロインが簡単にメロメロになるのは少し違和感」「童貞卒業したばかりの高校2年生という設定に現実味が乏しい」
• 文体の好み：「擬態語が多用されているのが苦手な人も」
• ストーリー性：「エロがメインなので、ストーリー性を求めると物足りないかも」

総合評価

読書メーター：40点オトナ文庫：4.5/5.0コミックシーモア：5.0/5.0

これらの評価から、本作は「ハーレム官能小説の新境地を開いた作品」として高い評価を得ていることがわかる。

■ シリーズ全体像｜拡大するハーレム宇宙

コミカライズ版について

本シリーズは「かせい」作画によってコミカライズもされており、「ラ・フランスCOMICS-R」レーベルから刊行されている。まんが王国、ピッコマ、コミックシーモアなど主要電子書籍プラットフォームで配信されており、原作の雰囲気を忠実に再現しつつビジュアル化されている点が高評価だ。

■ 実際に読んだ感想｜計算された快楽の美学

これはただのエロ小説ではない——「戦略的ハーレム構築」の教科書だ。

主人公・春日真の女性へのアプローチは、まさに計算尽くされた心理戦。各ヒロインの弱点を見抜き、そこにつけ込み、最終的には快楽で完全に支配する——その過程が緻密に描かれている。

特に印象的だったのは、「幕間」でのヒロインたちの心理描写。単なる主人公視点の征服物語ではなく、ヒロインたちがどのようにして「堕ちていく」のかが丁寧に描写されている。絢のトラウマからの解放、聡子の真面目さからの脱却、春歌の献身性の変容——それぞれの心理的変化が、物語に深みを与える。

そして何より「ハーレムをつくるために社長になる」という最終目標の提示が秀逸。単なる快楽の追求ではなく、それを実現するための社会的野心——この壮大なスケール感が、本作を他の官能小説とは一線を画するものにしている。

209ページで880円という価格設定も適正。シリーズものとしては第2弾だが、単体でも十分に楽しめる完成度だ。